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免疫細胞治療のデメリットを考える

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がん治療の新たな選択肢として広く認知されつつある免疫細胞治療ですが、新しい治療に手を出すことはとても勇気がいることだと思います。以前掲載した「免疫細胞療法を受けるメリット、デメリット」の記事では圧倒的にメリットの方が多く、デメリットは健康保険が使えないこと(つまり全額自己負担)だけなんて、読者にとっては肩透かしをくらったようで、記事について何件かお声が寄せられました。その反省をもとに、免疫細胞療法のデメリットについて再考してみます。

consider demerit of immunotherapy  by Thomas Leuthard

1.今日来てすぐはできません

すぐにでも治療を始めたいとご来院いただいても、残念ながらその日から治療を始めることはできません。

なぜならこの治療は、患者さま自身の血液から細胞を培養してワクチンなどを作る必要があるからです。培養日数はアベ・腫瘍内科・クリニックでは14日間必要となるので、初日は血液検査用の採血と免疫細胞療法用の採血だけです。治療が開始されるのは採血した日から2週間後になります。

2.薬のような即効性はありません

抗がん剤の場合は、細胞のDNAや特定の分子を標的するように設計されているため、投与するとすぐに薬の作用が現れます。一方、免疫細胞療法、特に樹状細胞ワクチンの場合は皮内注射で投与すると、あとは体に備わる“免疫”という生体システムにゆだねることになります。体の中では次のようなことが起きています;

  • 投与した樹状細胞は免疫細胞のたまり場であるリンパ節に移動
  • リンパ節で樹状細胞はT細胞やヘルパーT細胞にがんの情報を伝達
  • がん細胞の情報を受け取ったT細胞は活性化してキラーT細胞となり、
  • さらに、活性化したヘルパーT細胞の刺激により強力な細胞となり増殖を続ける
  • その後キラーT細胞はリンパ節を離れ血液に乗って全身を駆け巡り、
  • 樹状細胞に教わったがんの情報からがん細胞を見つけだして攻撃開始

がん細胞を攻撃するに至るまで、いくつかのステップが必要なのです。それゆえ免疫細胞療法はゆっくり、そして長く効果が現れます。

※従って、エイビーバックス®-ハイブリッド免疫療法(多価樹状細胞ワクチン+活性NK細胞)の場合、1クール(約3ヶ月)終了後3ヶ月後に効果判定を行います。1クールは、2週間に1回投与と採血を5回繰り返します。

3.いろいろあり、見極めるのが困難

「免疫細胞療法」「免疫細胞治療」「免疫療法」などでネット検索すると、山のように提供するクリニックが出てきます。どれも同じなような、違うような、よほど専門知識がないと見極めるのは困難です。その上、“免疫療法には手を出すな”、“まゆつばだ”、“お金を捨てるだけだ”など、医師が実名で免疫療法について意見しているサイトもあります。治療名称は同じでも製造方法や培養方法が異なることも。

4.アフェレーシス

エイビーバックス®以外の樹状細胞ワクチンは、ワクチンを製造するのにアフェレーシスという成分採血を行います。1クールの治療に必要な単球を一度に採取するため、2~5時間ベッドに仰向けの状態で、全身の血液約5000mlを人工透析のように体外に循環させて採血します。体力の無い方や、抗がん剤治療で血管がもろくなっている方には大きな負担となります。

アフェレーシスによる樹状細胞ワクチンの場合、採取した単球から一度に1クール分の樹状細胞ワクチンを製造して凍結保存するため、一度に1クール分の治療費が発生します。万一治療が続けられなくなったとしても、治療費は通常戻りません。

※エイビーバックス®は、単球未分化増殖技術という保有する特許技術により、5分程度の普通の静脈採血で樹状細胞ワクチンを1回分ごとに製造するため、上記のようなリスクはありません。

5.まとめ

免疫細胞治療のデメリットについて改めて見てみると、いろいろありました。アベ・腫瘍内科・クリニックでは、進行が早く一刻も時間を争うケースや、かなり大きながんの場合はまず手術や放射線、化学療法などを検討し、その後、もしくは標準治療と併用して免疫細胞治療を奨めるケースも少なくありません。

デメリットがあることを知った上で、いろいろな免疫細胞治療の門を叩き疑問をぶつけてみるのが一番いいと考えます。